

双極性障害は「躁状態」と「うつ状態」が波のように現れる病気ですが、その中でも特に苦しいとされるのが「混合状態」です。躁の要素と鬱の要素が同時に現れるため、自分でも気持ちを整理できず、周囲からも理解されにくい特徴があります。
本記事では混合状態の症状や原因、治療法、家族のサポートの仕方、さらに生活上の工夫について詳しく解説します。
混合状態の特徴
混合状態とは、躁症状とうつ症状が同時に、あるいは短期間で交互に現れる状態を指します。気分が落ち込み自殺念慮が強いのに、同時に焦燥感や衝動性が高まるため、実行に移してしまうリスクがあります。このため、自殺率が最も高い状態の一つとされ、注意が必要です。
なぜ混合状態は起こるのか?
原因は完全には解明されていませんが、脳内のセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質のバランスの乱れが関与しています。さらに、遺伝的要因、強いストレス、生活リズムの乱れ、薬の影響なども混合状態を引き起こす要因になると考えられています。
診断と誤診の難しさ
混合状態は抑うつ症状が目立つため、うつ病と誤診されやすい傾向があります。しかし、抗うつ薬のみの使用は躁状態を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。正しい診断には、イライラや衝動性といった躁の兆候を見逃さないことが重要です。
治療に用いられる薬
治療では気分安定薬や抗精神病薬が中心です。リチウム、バルプロ酸、ラモトリギン、クエチアピンなどが代表的で、躁とうつの両方を抑える効果があります。抗うつ薬は原則慎重に使われ、気分安定薬と併用されることが多いです。
心理社会的支援と生活習慣
治療効果を高めるためには、薬物療法に加え心理社会的支援が大切です。認知行動療法や家族療法、ストレスマネジメントは再発予防に役立ちます。特に睡眠と生活リズムを整えることが混合状態を防ぐカギとなり、気分の変化を記録する「気分日記」も有効です。
家族や周囲のサポート
混合状態は本人にとっても家族にとっても苦しい時期です。叱責や否定ではなく、「今はつらい状態なんだ」と共感する姿勢が支えになります。特に自殺リスクが高いことを踏まえ、危険を感じた際はすぐに医療機関に相談することが重要です。
障害年金というサポート制度
双極性障害によって仕事や日常生活に大きな支障をきたしている場合、障害年金を受け取れる可能性があります。障害年金は精神疾患も対象となり、経済的な負担を軽減する制度です。受給には診断書や申請手続きが必要ですが、専門の社労士に相談することでスムーズに進められるケースもあります。
混合状態に苦しむ方やそのご家族は、治療と並行して制度の活用も検討すると良いでしょう。
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