

日本弁護士連合会(日弁連)は2025年7月10日、障害年金の支給に関する障害認定基準の抜本的見直しを求める会長声明を発表しました。
障害のある人々が憲法で保障された生存権や平等権を侵害されることなく、必要な支援を公平に受けられる制度の構築を呼びかけています。精神障害や発達障害など多様な障害の特性に即した認定と透明性のある手続きの必要性が改めて強調されました。
障害認定基準の見直しを求める日弁連の声明とは
日本弁護士連合会は、障害年金の認定基準が現行では公正さを欠き、多くの人が適切な支援を受けられない現状を問題視し、2025年7月10日に会長声明を発表しました。
声明では、障害者が生活に深刻な支障を抱えながらも、厳格な認定運用や不透明な審査によって年金を受けられない事例が多いと指摘し、制度の見直しを訴えています。障害年金は障害を抱える人にとって生活の基盤であり、その公平性は人権保障の観点からも重要です。
目に見えにくい障害の認定の難しさと不公平性
障害年金の審査においては、うつ病や発達障害など、外見からは判断しにくい障害が特に低く評価されがちです。例えば、日常生活に大きな支障があっても「就労可能性が残る」と判断され、認定等級が下げられたり不支給になったりするケースが相次いでいます。
さらに、診断書や生活状況報告書の作成も負担が大きく、本人や家族にとって精神的にも経済的にも大きな負担です。こうした現状が公平な支援を阻んでいるとして、日弁連は認定基準の改正を強く求めています。
生存権・平等権から見た制度改善の必要性
声明では、憲法25条の生存権と14条の平等権を根拠に、障害認定基準や運用の改善が不可欠であると強調されています。障害者が安心して生活できる社会のためには、障害の特性を正しく反映し、認定に一貫性と透明性を持たせる必要があります。
また、支給の可否が担当者の裁量に左右されるような現状は、制度の信頼性を損ないかねません。これらを踏まえ、日弁連は科学的根拠と公平な審査体制に基づいた改革を提案しています。
障害年金の認定と支給をめぐる課題
厚生労働省の統計によると、障害年金の新規請求件数は増加している一方、支給決定率は依然として高くありません。
特に精神障害に関しては審査が厳しく、再審査請求を行っても不支給となる事例が多く見られます。さらに、認定基準の説明が難解で、支給までの手続きが煩雑であることも利用の障壁です。制度の改善が急がれる理由はここにあります。
日弁連による具体的な提言と改革への期待
日弁連の声明は、障害認定基準の合理的かつ科学的な見直し、審査手続きの簡素化、説明責任の徹底を提言しています。
また、第三者機関による審査過程の検証を制度化することで、公平性と透明性を高めることも重要としています。こうした改革により、障害を抱える人々が不安なく制度を利用できる環境づくりが期待されます。
誰もが安心できる社会のために必要な視点
障害年金は「最後のセーフティネット」であり、その公平な運用はすべての人に関わる重要な課題です。
日弁連の今回の会長声明は、障害を抱える人が尊厳を持って生きる権利を保障する社会を築くための大きな一歩です。私たち一人ひとりが問題意識を持ち、障害年金制度の公正化を後押しすることが求められています。






















