

アッシャー症候群は、視覚と聴覚の両方に障害を引き起こす進行性の遺伝性疾患であり、日本では「指定難病」にも認定されています。難病としての指定は、患者が治療や支援を受けやすくするための公的支援の対象となることを意味します。
この疾患の主な特徴は、先天性の難聴と進行性の視力障害(網膜色素変性症)で、場合によっては失明に至ることもあります。
アッシャー症候群の原因
アッシャー症候群の原因は、親から受け継ぐ遺伝子の変異です。遺伝形式は常染色体劣性遺伝で、両親それぞれから変異した遺伝子を受け継いだ場合に発症します。これまでに10種類以上の関連遺伝子が特定されており、代表的なものには「MYO7A」や「USH2A」などがあります。これらの遺伝子の異常により、視覚や聴覚の働きに重要な細胞や構造が徐々に損傷を受けることで症状が現れます。
アッシャー症候群の症状と進行の特徴
アッシャー症候群の症状は、主に聴覚、視覚、平衡感覚に影響を与えますが、その進行や重症度は3つのタイプに分類されます。
タイプ1:
生まれつき高度の難聴があり、補聴器を使っても会話を理解するのは難しい場合が多いです。また、平衡感覚の問題により、歩行の発達が遅れることが特徴です。視力の障害は幼少期から始まり、早い段階で夜盲(夜間の視覚障害)が進行します。視野は徐々に狭まり、失明に至るリスクが高いタイプです。
タイプ2:
中等度から重度の難聴があり、補聴器を使えば日常会話が可能な場合があります。平衡感覚は保たれていることが多いですが、思春期以降に視覚障害が進行し始め、視野が狭くなるトンネル視や暗所での視力低下が現れます。失明のリスクはタイプ1より低いものの、進行を止める治療法はありません。
タイプ3:
幼少期には聴覚や視覚に問題は見られませんが、成人期に入ってから聴覚や視覚の障害が進行します。平衡感覚の障害が現れることもあります。進行の速度には個人差が大きく、最終的に視覚障害が重度化し、失明に至ることもあります。
視覚障害の特徴として、「網膜色素変性症」が挙げられます。これは、網膜の細胞が徐々に機能を失い、視野が狭くなるトンネル視を引き起こします。症状が進行すると視野はますます狭くなり、最終的には失明に至る場合があります。
アッシャー症候群は指定難病
アッシャー症候群は、進行性の視覚・聴覚障害を引き起こすため、日常生活において多大な支援を必要とする病気です。この疾患は指定難病に含まれるため、公的支援制度を活用することが可能です。また、視覚・聴覚の障害が重度化することで障害年金の申請対象となることが多いです。
障害年金を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。
初診日が明確であること
障害年金の申請では、初診日が重要です。アッシャー症候群の場合、視力や聴力の問題が初めて診断された日が初診日となります。
障害等級に該当すること
視覚障害または聴覚障害が一定以上の重症度である場合、1級または2級に該当する可能性があります。視力矯正後の視力低下や、視野が極端に狭い場合、また高度の難聴である場合が対象となります。失明に至った場合には、1級に該当するケースが一般的です。
保険料納付要件を満たすこと
障害年金を申請するには、一定期間以上の保険料が納付されている必要があります。過去の納付状況を確認しておきましょう。
障害年金申請のポイントと難病患者としての支援の活用
障害年金を申請する際には、専門医の診断書が必須です。この際、視覚障害と聴覚障害それぞれの状態を明確に記載してもらうことが重要です。また、失明に至った場合には、その状態を詳細に伝える診断書を作成してもらう必要があります。
アッシャー症候群は進行性であるため、定期的に医療機関での診断を受け、症状の変化を記録しておくことが有効です。さらに、指定難病としての公的支援制度を活用することで、医療費の助成を受けることが可能です。難病情報センターや社会保険労務士への相談も、適切な支援を受けるための大きな助けとなるでしょう。
>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて
まとめ
アッシャー症候群は、指定難病であり、視覚および聴覚に進行性の障害をもたらします。失明に至る可能性があるため、早期から適切な支援や制度を活用することが重要です。
障害年金の申請や医療費助成など、公的な支援制度を十分に活用し、生活の質を保つための準備を進めましょう。専門家や支援団体と連携することで、適切なサポートを受けることができます。
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