アルポート症候群で腎不全や難聴が発症した場合の障害年金申請

アルポート症候群は、主に腎臓に影響を与える遺伝性疾患で、聴覚や視覚にも障害が生じることがあります。コラーゲン異常が原因で、血尿、難聴、視力低下などの症状が進行します。

特に腎不全に至った場合、透析が必要となり、障害年金の申請対象となることがあります。障害年金を受給するためには、初診日や診断書の提出が重要です。

目次

アルポート症候群とは

アルポート症候群は、主に腎臓の機能に影響を与える遺伝性疾患です。この病気は、コラーゲンというタンパク質の異常によって引き起こされます。

コラーゲンは腎臓の他にも、耳や目など様々な組織の健康維持に関与しているため、アルポート症候群では腎臓だけでなく聴覚や視覚にも問題が生じることがあります。遺伝的な原因により発症するため、家族歴が重要な手がかりとなります。

アルポート症候群の原因

アルポート症候群の主な原因は、Ⅳ型コラーゲンの合成に関与する遺伝子(主にCOL4A3、COL4A4、COL4A5)の異常です。この遺伝子の異常が腎臓の糸球体基底膜に影響を与え、正常な腎機能を維持できなくなります。発症のパターンは遺伝形式によって異なり、X連鎖性(男性が重症化しやすい)、常染色体劣性、常染色体優性などのパターンがあります。

X連鎖性遺伝では、女性は保因者であることが多く、軽度の症状しか現れない場合が多いですが、男性はより重篤な症状を示す傾向にあります。このため、家系内で同様の病気を持つ男性がいる場合、アルポート症候群の可能性を考える必要があります。

アルポート症候群の主な症状

アルポート症候群の症状は主に以下の3つの領域に現れます。

腎臓の障害

アルポート症候群では、初期に血尿が見られることが一般的です。これは腎臓のフィルターである糸球体が正常に機能しないために血液が尿に混じる現象です。症状が進行すると、尿蛋白や腎不全に至ることがあります。最終的に透析や腎移植が必要になる場合も多いです。

聴覚の障害

中耳のコラーゲンも影響を受けるため、難聴が生じることがあります。特に高音域の音が聞こえにくくなる感音性難聴が特徴です。進行性で、年齢とともに聴力がさらに低下することがあります。

視覚の障害

目のレンズや角膜にもコラーゲンが存在するため、白内障や角膜の異常、視力低下が生じることがあります。

これらの症状が進行することで、日常生活に大きな影響を与える場合が多く、特に腎機能の低下が進むと、身体的にも経済的にも大きな負担となることが考えられます。

アルポート症候群と障害年金

アルポート症候群は進行性の疾患であり、腎機能の低下や聴覚障害、視覚障害が日常生活や仕事に大きな支障をきたすことがあるため、障害年金の申請対象となる場合があります。

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特に、次のような状況に該当する場合、障害年金の受給を検討できます。

腎不全の進行

腎機能が著しく低下し、透析が必要となった場合、または腎移植を受けた場合には、障害年金の申請が可能です。透析療法を受けている患者は、原則として障害等級2級に該当する可能性が高いです。

聴覚障害が著しい場合

両耳の難聴が進行し、補聴器を使用しても日常生活に大きな支障をきたす場合には、聴覚障害としての障害年金申請が可能です。等級は聴力検査の結果によって異なり、一定の基準を満たせば2級や3級の認定を受けることができます。

視覚障害

目の障害も、日常生活に支障を与えるレベルであれば障害年金の対象となります。視力が著しく低下したり、視野が狭くなるなどの症状がある場合、障害年金申請を検討する価値があります。

障害年金申請のポイント

アルポート症候群による障害年金の申請には、適切な診断書の提出が重要です。腎臓の状態を示す検査結果や、透析の開始時期、聴覚や視覚の障害を証明するデータが必要となります。定期的な検査結果や治療記録をしっかり保管し、医師と相談しながら申請を進めることが成功の鍵となります。

さらに、障害年金は初診日が重要なポイントです。初めて医療機関を受診した日を「初診日」として記録し、この日を基準に障害年金の受給資格が判断されます。初診日の証明が困難な場合もありますが、カルテや診療記録をもとに証明できる場合が多いので、早めに医療機関に相談することが大切です。

まとめ

アルポート症候群は、遺伝性の疾患であり、腎臓、聴覚、視覚に影響を与える進行性の病気です。腎不全や難聴、視覚障害が進行することで、日常生活に大きな影響を及ぼし、障害年金の申請対象となることがあります。

透析を受けることになった場合や、聴覚・視覚に大きな障害が生じた場合には、医師と相談し、適切な時期に障害年金の申請を行うことが重要です。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

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鼻腔

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肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

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精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

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