遺伝性運動感覚性ニューロパチーとは?症状と障害年金の受給条件まとめ

遺伝性運動感覚性ニューロパチー(Hereditary motor and sensory neuropathy, HMSN)は、遺伝性の神経疾患であり、運動神経と感覚神経に影響を与えます。

これは、末梢神経が徐々に劣化し、筋力低下や感覚の異常を引き起こす病気です。遺伝的な要因により発症するため、家族内で同様の症状が見られることが特徴です。一般的に、症状は幼少期や青年期に現れることが多く、ゆっくりと進行します。

目次

遺伝性運動感覚性ニューロパチーの原因

遺伝性運動感覚性ニューロパチーの主な原因は、特定の遺伝子における異常です。これらの異常は、末梢神経に影響を与え、神経の伝達速度が低下したり、神経自体が損傷されたりします。現在、いくつかの遺伝子がこの疾患に関連していることがわかっており、それぞれが異なる病型を引き起こします。

特に、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)として知られるタイプが多く、これはHMSNの中でも最も一般的な形です。CMT1型やCMT2型など、さまざまな遺伝子異常によって発症するタイプがありますが、共通して末梢神経に障害が生じます。

>>シャルコー・マリー・トゥース病で障害年金を受け取るための基準と対策

遺伝性運動感覚性ニューロパチーの症状

遺伝性運動感覚性ニューロパチーの主な症状は、筋力低下、感覚異常、およびバランス感覚の低下です。特に足や下肢に症状が現れやすく、以下のような具体的な症状が報告されています。

筋力低下

特に足や手の筋肉が萎縮し、歩行が困難になることがあります。軽度の場合は、少し足を引きずる程度ですが、進行すると歩行補助具が必要になる場合があります。

感覚異常

触覚や痛覚に異常が生じ、特に足や手の指先がしびれる、または無感覚になることが一般的です。場合によっては、冷たいものや温かいものを感じにくくなることもあります。

バランス感覚の低下

筋力の低下に加えて、感覚の異常があるため、歩行時にふらついたり、転びやすくなります。

これらの症状は、患者によって異なりますが、一般的にはゆっくりと進行します。軽度な症状から始まり、年齢とともに重症化する傾向があります。

障害年金の申請について

遺伝性運動感覚性ニューロパチーを持つ患者が障害年金を受給するためには、病状が日常生活や就労にどの程度の影響を与えているかが重要な要素となります。障害年金は、身体障害者手帳の取得状況や、症状の進行度によって決定されます。

>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて

初診日

障害年金の申請においては、病気が初めて診断された日が「初診日」として重要です。この初診日が年金制度加入期間中であることが、受給資格のひとつとなります。

障害等級の認定

遺伝性運動感覚性ニューロパチーの進行具合に応じて、障害等級が決定されます。一般的には、筋力低下や感覚異常によって歩行や日常生活に支障が出ている場合、3級以上の障害等級が認定される可能性があります。これにより、障害基礎年金や障害厚生年金が支給されます。

診断書の提出

障害年金を申請する際には、主治医による診断書が必要です。この診断書には、患者の症状、日常生活への影響、および進行状況が詳細に記載されることが求められます。

就労状況の確認

遺伝性運動感覚性ニューロパチーは、病気の進行によって就労が難しくなる場合があります。特に重度の運動障害がある場合、フルタイムでの労働が不可能になることがあり、この場合は障害年金が重要な支援策となります。

まとめ

遺伝性運動感覚性ニューロパチーは、遺伝子の異常によって引き起こされる進行性の神経障害であり、主に筋力低下や感覚異常を伴います。病状が進行すると、日常生活や就労に大きな影響を与えることがあり、障害年金を受給することで生活支援を受けることが可能です。

正確な診断と適切な手続きを通じて、障害年金を受けるための条件を満たすことが重要です。年金の申請には、医師の診断書や就労状況の確認が必要であり、早期の対応が望まれます。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

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鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

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精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

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