人と関わりたくない状態は病気のサイン?対人ストレスによる生活制限と障害年金の受給基準

人と話すだけで疲れてしまう、誰かと関わることを考えると強い不安や緊張が出る。「できれば一人でいたい」「人と関わりたくない」――そんな気持ちが長く続いていませんか。

周囲からは「協調性がない」「わがまま」と見られがちですが、本人にとっては避けたくて避けているわけではなく、心や体が限界を迎えている状態であることも少なくありません。

このような状態が生活や仕事に支障をきたしている場合、障害年金の対象となる可能性があります。

「人と関わりたくない」とはどのような状態か

人と関わりたくない状態とは、単に一人の時間が好きというレベルではなく、対人接触そのものが強い負担や恐怖、不安を伴う状態を指します。会話を想像するだけで動悸がする、人の視線が気になって外出できない、連絡を取ることすらつらいといった症状が見られることもあります。

本人の意思とは関係なく心身が反応してしまうため、「慣れれば大丈夫」「気にしすぎ」といった助言では改善しないケースが多いのが特徴です。

生活や仕事に与える影響

人と関わることを避けるようになると、生活範囲が大きく狭まります。外出を控える、必要な手続きができない、家族以外との接触を極端に避けるなど、日常生活に支障が出てきます。

仕事では、報告・相談ができない、会議や打ち合わせに参加できない、職場に行くだけで強い不調が出るといった問題が起こりやすくなります。その結果、欠勤や休職が増え、退職に至るケースも少なくありません。

背景にある主な病気や障害

人と関わりたくない状態の背景には、うつ病、不安障害、社会不安障害、適応障害、PTSD、統合失調症などの精神疾患が関係していることがあります。

また、ASD(自閉スペクトラム症)やADHDなどの発達障害のある方が、感覚過敏や対人ストレスの蓄積によって、対人回避が強くなるケースもあります。長年の失敗体験や人間関係のトラブルが引き金となる二次障害として現れることもあります。

人と関わりたくない状態で障害年金はもらえるのか

結論として、「人と関わりたくない」という気持ちそのものが障害年金の支給理由になるわけではありません。しかし、その背景にある病気や障害によって、日常生活や就労が継続的に制限されている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金では、対人関係の苦手さよりも、「生活能力」「労働能力」がどの程度制限されているかが重視されます。一般的な社会生活や就労が難しい状態が続いている場合は、精神の障害として審査されます。

障害年金の審査で重視されるポイント

審査では、「人が苦手」という表現ではなく、具体的な生活上の支障が確認されます。一人で外出できるか、対人接触をどの程度避けているか、通院や服薬管理ができているか、就労の継続が可能かといった点が、診断書や病歴・就労状況等申立書で見られます。

就労している場合でも、在宅勤務に限られている、強い配慮がなければ続かない、欠勤が多いといった事情があれば、不利になるとは限りません。

診断書作成で意識したい伝え方

対人関係の困難さは、「性格の問題」と受け取られやすく、診断書に反映されにくい症状の一つです。そのため、気持ちではなく、行動の制限として伝えることが重要です。

例えば、「人と話すと体調を崩す」「外出や手続きができない」「仕事を続けられない」「家族以外と接触できない」など、実際に起きている生活への影響を具体的に医師に伝えることで、診断書の内容が実態に近づきます。

「協調性がない」のではなく、症状かもしれない

人と関わりたくない状態が続くと、「自分は社会不適合だ」「わがままだ」と自分を責めてしまいがちです。しかし、対人接触が強い苦痛を伴う状態そのものが、病気や障害の症状であることも少なくありません。

障害年金は、そうした状態の中で生活を守り、回復の時間を確保するための制度です。無理に人に合わせ続けることだけが正解ではありません。

一人で抱え込まず専門家に相談を

人と関わることがつらい状態では、相談すること自体が大きなハードルになります。それでも、主治医や障害年金に詳しい社労士などの専門家に状況を整理してもらうことで、「今の状態が制度上どう評価されるのか」が見えてきます。

生活や仕事に支障が出ている場合は、我慢を続ける前に、支援につながる選択肢があることを知っておいてください。

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