ペットロス症候群からうつ病へ。働けない時の障害年金受給ポイント

大切なペットを失ってから、何も手につかない、涙が止まらない、外に出る気力が湧かない。時間が経ってもつらさが消えず、「いつまで引きずっているのか」と周囲に言われて、さらに苦しくなっていませんか。

ペットロス症候群は決して珍しいものではなく、深刻な精神的不調につながることもあります。状態が長期化し、生活や仕事に支障が出ている場合、障害年金の対象となる可能性もあります。

この記事では、ペットロス症候群と障害年金の関係について解説します。

ペットロス症候群とはどのような状態か

ペットロス症候群とは、家族同然だったペットを失ったことをきっかけに、強い悲嘆反応が長く続く状態を指します。悲しみや喪失感だけでなく、不安、無気力、罪悪感、孤独感など、さまざまな感情が複雑に絡み合います。

一般的な悲しみであれば、時間とともに少しずつ和らいでいきますが、ペットロス症候群では、日常生活に支障が出るほどの状態が長く続くことがあります。本人の努力や気持ちの切り替えだけでは回復が難しいケースも少なくありません。

生活や仕事に与える影響

ペットロス症候群が長引くと、生活全体に大きな影響が出ます。食欲が出ない、眠れない、外出ができない、一日中横になって過ごしてしまうなど、基本的な生活行動が難しくなることもあります。

仕事においても、集中力が続かない、些細なことで涙が出る、出勤する気力が湧かないといった問題が起こりやすくなります。その結果、欠勤や休職が増え、最終的に退職に追い込まれるケースも少なくありません。

ペットロス症候群と診断名の関係

「ペットロス症候群」という言葉自体は、医学的な正式診断名ではありません。しかし、実際の医療現場では、うつ病、適応障害、不安障害、複雑性悲嘆(持続性複雑死別障害)などの診断が付くことがあります。

障害年金では、このような正式な診断名に基づいて審査が行われます。重要なのは、きっかけがペットの死であったとしても、現在の精神状態がどの程度生活や就労を制限しているかという点です。

ペットロス症候群で障害年金はもらえるのか

結論として、ペットロス症候群そのものでは障害年金は支給されません。しかし、ペットロスをきっかけに発症した精神疾患によって、日常生活や就労が継続的に制限されている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金では、悲しみの理由よりも、「現在の生活能力・労働能力」がどの程度制限されているかが重視されます。外出が困難、就労ができない、常に支援が必要な状態が続いている場合は、精神の障害として審査されます。

障害年金の審査で重視されるポイント

審査では、「ペットが亡くなってつらい」という気持ちだけでなく、具体的な生活状況が確認されます。一人で日常生活を送れているか、食事や入浴ができているか、外出頻度はどうか、就労の継続が可能かといった点が、診断書や病歴・就労状況等申立書で見られます。

就労していない場合でも、生活が自立していない、家族の支援が不可欠な状態であれば、判断材料になります。

診断書作成で意識したい伝え方

ペットロスによるつらさは、「時間が解決するもの」と軽く見られてしまうことがあります。そのため、医師には悲しみだけでなく、生活への影響を具体的に伝えることが重要です。

例えば、「朝起きられない」「外出できない」「仕事を続けられない」「一日中泣いて過ごしている」など、実際にできていないことを整理して伝えることで、診断書の内容が実態に近づきます。

「弱さ」や「甘え」ではない

ペットロス症候群に苦しんでいると、「たかがペット」「人の死じゃない」と言われ、深く傷つく方もいます。しかし、ペットは生活や心の支えそのものであり、その喪失が心身に大きな影響を与えるのは自然なことです。

長く続く苦しさは、意思の弱さではなく、治療や支援が必要な状態である可能性があります。

一人で抱え込まず専門家に相談を

ペットロスのつらさを抱えたまま、生活や仕事を立て直すのは簡単なことではありません。主治医に現在の状態を正直に伝え、必要に応じて障害年金に詳しい社労士などの専門家に相談することで、制度的な支援につながる可能性があります。

悲しみを無理に乗り越えようとせず、「支えを使う」という選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。

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