寝ても疲れが取れないのは年のせいではない。慢性的な倦怠感と障害年金の関係

十分に寝ているはずなのに、朝から体が重い。起きた瞬間から疲れていて、「また一日が始まる」と思うだけでつらい。そんな「寝ても疲れが取れない」状態が続いていませんか。周囲からは「年のせい」「寝方が悪いだけ」と言われがちですが、本人にとっては生活や仕事を続けること自体が大きな負担になっていることも少なくありません。

実は、この状態の背景には病気や障害が関係している場合があり、条件を満たせば障害年金の対象となる可能性もあります。

この記事では、その考え方を分かりやすく解説します。

「寝ても疲れが取れない」とはどのような状態か

「寝ても疲れが取れない」とは、睡眠時間を確保していても、回復感が得られず、常に強い倦怠感やだるさが残っている状態を指します。朝起きた時点ですでに疲れている、日中も横になりたくなる、少し動くだけで消耗してしまうといった特徴があります。

この状態は、単なる睡眠不足とは異なり、休んでも回復しないことが大きなポイントです。本人の努力や生活改善だけでは改善せず、長期間続くことも少なくありません。

生活や仕事に与える影響

寝ても疲れが取れない状態が続くと、日常生活の質が大きく低下します。家事や身の回りのことに時間がかかる、外出する気力が湧かない、人と会うこと自体が負担になるなど、生活範囲が徐々に狭くなっていきます。

仕事では、集中力や判断力が落ち、ミスが増える、作業スピードが極端に遅くなるといった影響が出やすくなります。疲労感が抜けないため欠勤や遅刻が増え、最終的に休職や退職に至るケースも少なくありません。

背景にある主な病気や障害

寝ても疲れが取れない状態の背景には、さまざまな病気や障害が関係しています。代表的なものとして、うつ病、双極性障害、不安障害、適応障害などの精神疾患が挙げられます。これらでは、睡眠の質が低下し、脳や神経が十分に休まらなくなることがあります。

また、慢性疲労症候群、線維筋痛症、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群などの身体疾患が関係している場合もあります。発達障害(ASD・ADHD)のある方が、感覚過敏や慢性的な緊張状態から、疲労が抜けにくくなるケースもあります。

寝ても疲れが取れない状態で障害年金はもらえるのか

結論として、「疲れが取れない」という症状だけで障害年金が支給されるわけではありません。しかし、その原因となっている病気や障害によって、日常生活や就労が継続的に制限されている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金では、症状の名前よりも「生活能力」「労働能力」がどの程度制限されているかが重視されます。疲労のために一般就労が難しい、生活に支援が必要な状態が続いている場合などは、精神の障害や内部障害として審査されます。

障害年金の審査で重視されるポイント

審査では、「疲れている」という主観的な訴えだけでなく、具体的な生活状況が確認されます。一人で日常生活を送れているか、外出頻度はどうか、通院や服薬管理ができているか、就労の継続が可能かといった点が、診断書や病歴・就労状況等申立書で見られます。

就労している場合でも、短時間勤務に限られている、欠勤が多い、配慮がなければ続かないといった事情があれば、不利になるとは限りません。

診断書作成で意識したい伝え方

疲労感は数値化しにくく、診察の場では軽く受け取られてしまうことがあります。そのため、「疲れています」と伝えるだけでなく、生活への影響を具体的に説明することが重要です。

例えば、「起床後すぐ横になる」「外出すると翌日動けない」「仕事を続けられない」「家事ができず家族の支援が必要」といった、結果として生じている制限を整理して医師に伝えることで、診断書の内容が実態に近づきます。

自分を責めすぎないでほしい

寝ても疲れが取れない状態が続くと、「自分の体力がないだけ」「努力が足りない」と自分を責めてしまいがちです。しかし、休んでも回復しない状態そのものが、病気や障害のサインであることも少なくありません。

障害年金は、頑張れなくなった人を責める制度ではなく、生活を立て直すための支えとして用意されている制度です。

一人で抱え込まず専門家に相談を

慢性的な疲労を抱えながら生活するのは、想像以上に大きな負担です。「まだ耐えられる」と無理を続ける前に、主治医に現状を伝え、必要に応じて障害年金に詳しい社労士などの専門家に相談することをおすすめします。

寝ても疲れが取れない状態が続き、生活や仕事に支障が出ている場合は、支援につながる選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。

障害年金コラムの関連記事はこちら