離脱症状による就労困難で障害年金を受給するための認定基準

薬を減らしたり中止したあとに、めまい、強い不安、吐き気、しびれ、不眠などのつらい症状が続き、「この状態で仕事や生活を続けるのは無理かもしれない」と感じていませんか。これらは離脱症状と呼ばれ、精神科や心療内科の薬、睡眠薬、抗不安薬などで起こることがあります。

離脱症状は周囲に理解されにくく、「薬をやめただけ」「気のせい」と軽く扱われがちですが、日常生活や就労に深刻な支障をきたすこともあります。

状態によっては、障害年金の対象となる可能性があります。

離脱症状とはどのような状態か

離脱症状とは、長期間使用していた薬を減量・中止した際に現れる身体的・精神的な不調のことを指します。特に、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、向精神薬などでは比較的知られています。

症状は人によって異なりますが、めまい、頭痛、吐き気、動悸、発汗、手足のしびれ、強い不安感、抑うつ、不眠、集中力低下など、複数の症状が同時に現れることもあります。これらは本人の気持ちの問題ではなく、脳や神経の働きの変化によって起こるものです。

離脱症状が生活や仕事に与える影響

離脱症状が強く出ると、日常生活を送ること自体が困難になる場合があります。外出すると体調が急激に悪化する、電車や人混みが怖くなる、音や光に過敏になるなど、行動範囲が大きく制限されることもあります。

仕事面では、集中力が続かない、簡単な判断ができない、体調の波が激しく安定して勤務できないといった問題が起こりやすくなります。その結果、休職や退職に追い込まれたり、就労そのものが難しくなるケースも少なくありません。

離脱症状と関係する主な病気や背景

離脱症状は単独で問題になるというよりも、もともとの精神疾患や神経系の病気と密接に関係しています。うつ病、不安障害、パニック障害、双極性障害、統合失調症などの治療過程で起こることが多く見られます。

また、長期服薬によって体が薬に適応していた場合、減薬が慎重に行われなければ、症状が長引いたり重症化することもあります。離脱症状が続くことで、元の病気が悪化したように見える場合もあり、判断が難しいケースもあります。

離脱症状で障害年金はもらえるのか

結論として、離脱症状そのものが障害年金の支給理由になるわけではありません。しかし、離脱症状を含めた精神疾患の状態によって、日常生活や就労に継続的な制限がある場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金では、「症状の原因」よりも、「現在の生活能力・労働能力」がどの程度制限されているかが重視されます。離脱症状により外出が困難、就労が安定しない、常に支援が必要な状態が続いている場合は、精神の障害として審査されます。

障害年金の審査で重視されるポイント

審査では、「薬をやめたら調子が悪い」という説明だけでは不十分です。具体的に、どのような症状があり、それによって生活や仕事にどのような支障が出ているのかが見られます。

例えば、一人で外出できるか、家事や金銭管理ができているか、通院や服薬管理に支援が必要か、就労の継続が可能かといった点が、診断書や病歴・就労状況等申立書で確認されます。

診断書作成で特に注意したい点

離脱症状は、診察のタイミングでは症状が軽く見えることもあり、診断書に十分反映されないケースがあります。そのため、日常生活での困りごとを具体的に整理して医師に伝えることが重要です。

「朝起きられない」「外出すると悪化する」「数時間動けなくなる」「仕事を続けられない」といった、結果として生じている生活上の制限を伝えることで、診断書の内容が実態に近づきます。

一人で耐えず専門家への相談を

離脱症状は周囲に理解されにくく、「我慢が足りない」「薬に頼りすぎ」と誤解されやすい症状です。しかし、生活や就労に支障が出ている状態は、制度上の支援を検討すべきサインでもあります。

障害年金の対象になるかどうかは、個々の状況によって判断されます。離脱症状に悩み、生活や仕事が立ち行かなくなっている場合は、主治医への相談に加え、障害年金に詳しい社労士などの専門家に相談することで、現実的な選択肢を整理することができます。無理を続ける前に、早めに相談することが大切です

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