慢性血栓塞栓性肺高血圧症で障害年金を申請する方法と条件

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、肺の動脈に血栓が詰まることで、肺動脈の圧力が上昇し、結果的に心臓に負担をかける病気です。この病気は、一般的な肺高血圧症とは異なり、血栓が溶けきらないことが原因で慢性化します。

以下では、この病気の原因や症状、そして難病指定や障害年金に関する情報を詳しく解説します。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の原因

CTEPHの主な原因は、血栓(血の塊)が肺の動脈に詰まり、それが完全に除去されずに慢性的に残ることです。血栓は通常、脚の静脈にできたものが肺に流れ込み、肺塞栓症として現れます。多くの場合、急性肺塞栓症の治療で血栓が解消されますが、一部の人では血栓が完全に溶けずに動脈壁に固定され、慢性的な狭窄を引き起こすことがあります。これがCTEPHの発症につながります。

血栓が発生するリスク要因には、手術後の回復期間、長時間の飛行機や車の移動、深部静脈血栓症(DVT)などが挙げられます。また、遺伝的な要因や血液凝固異常がある人もリスクが高まります。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の症状

CTEPHの初期症状は比較的軽度であり、見逃されやすいことがあります。主な症状としては、運動時の息切れ、疲労感、動悸が挙げられます。これらの症状は肺の血流が阻害されるために起こり、心臓にかかる負担が増すことで悪化していきます。

病状が進行すると、安静時にも息切れを感じたり、足や腹部の浮腫(むくみ)が現れることがあります。重度の場合、右心不全を引き起こし、体全体の血流に影響を及ぼすため、より深刻な合併症が生じる可能性があります。症状が進行するにつれ、日常生活に支障をきたすようになり、早期診断と治療が重要です。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の難病指定

CTEPHは、「指定難病」に分類されており、特定の医療費助成制度の対象となっています。指定難病は、厚生労働省が定める疾患の中で、治療が困難であると同時に、患者や家族に大きな負担をもたらすものとされています。CTEPHは治療が難しい病気であり、進行すると生活の質に深刻な影響を与えるため、難病指定を受けています。

指定難病に認定されると、医療費助成を受けることができ、患者の経済的負担を軽減することが可能です。指定を受けるためには、病院での専門医の診断と、所定の申請手続きが必要です。定期的な治療や薬の服用が必要となるため、この助成制度は多くの患者にとって重要なサポートとなります。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症と障害年金

CTEPHは、進行すると生活の質を著しく低下させるため、障害年金の対象となる場合があります。障害年金は、病気やけがにより日常生活や仕事に支障をきたす状態になった場合に支給される年金で、CTEPHも適応されるケースがあります。

障害年金を受けるためには、病気の程度や日常生活への影響が重要な判断基準となります。CTEPHの場合、息切れや疲労感が強く、日常的な活動が困難になる場合や、病状が進行し、右心不全などの合併症が現れた場合に、障害等級の対象となることがあります。障害等級に応じて支給額が異なりますが、重度の場合には、年金の支給により経済的なサポートを受けることが可能です。

障害年金の申請には、医師の診断書や病歴、治療経過を基にした書類が必要です。申請が認められると、年金の支給が開始され、患者が抱える経済的負担の軽減につながります。

>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて

まとめ

CTEPHは、早期発見と適切な治療が重要ですが、難病指定や障害年金といった制度を活用することで、患者やその家族の負担を少しでも軽減することができます。病気と向き合いながら、これらの制度を利用して生活の質を保つことが大切です。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

>>障害年金の基礎知識について

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対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

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目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。

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