何もしたくないのは怠けではない。強い無気力と障害年金の知っておくべき関係

何もしたくない、起き上がる気力が出ない、好きだったことにも全く興味が持てない。そんな状態が続いていませんか。「怠けているだけ」「気分の問題」と言われがちですが、本人にとっては毎日を生きるだけで精一杯ということも少なくありません。

このような状態は、病気や障害が関係している可能性があります。

実は、「何もしたくない」と感じるほど生活に支障が出ている場合、障害年金の対象となることがあります。この記事では、その考え方を分かりやすく解説します。

「何もしたくない」とはどのような状態か

「何もしたくない」という状態は、単なる気分の落ち込みや一時的な疲れとは異なります。体を動かす気力が湧かない、考えること自体がつらい、何をするにも強い抵抗感があるといった状態が、長期間続くことが特徴です。

本人の中では「やらなければいけない」と分かっていても、心や体が反応しないため、意思の力ではどうにもならないことが多くあります。そのため、自分を責め続けてしまい、さらに状態が悪化する悪循環に陥るケースもあります。

生活や仕事に与える影響

何もしたくない状態が続くと、日常生活そのものが困難になります。食事の準備や入浴、掃除といった基本的な生活行動ができなくなることもあります。外出が極端に減り、人との関わりを避けるようになる方も少なくありません。

仕事においては、出勤できない、業務に集中できない、判断ができないなどの問題が生じやすくなります。その結果、欠勤や休職が増え、最終的に退職に追い込まれるケースも多く見られます。

背景にある主な病気や障害

「何もしたくない」状態の背景には、うつ病、双極性障害、不安障害、適応障害、統合失調症などの精神疾患が関係していることがあります。

また、ASDやADHDなどの発達障害のある方が、長年のストレスや失敗体験の積み重ねによって、二次障害として強い無気力状態に陥ることもあります。慢性的な睡眠障害や薬の副作用、離脱症状が影響している場合もあり、原因は一つではありません。

「何もしたくない」状態で障害年金はもらえるのか

結論として、「何もしたくない」という感覚そのものが障害年金の支給理由になるわけではありません。しかし、その背景にある病気や障害によって、日常生活や就労が継続的に制限されている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金では、病名よりも「生活能力」「労働能力」がどの程度制限されているかが重視されます。身の回りのことができない、就労が成り立たない、常に支援が必要な状態が続いている場合は、精神の障害として審査されます。

障害年金の審査で見られるポイント

審査では、「やる気が出ない」という表現ではなく、具体的な生活状況が確認されます。一人で食事や入浴ができるか、外出頻度はどうか、通院や服薬管理ができているか、就労の継続が可能かといった点が、診断書や病歴・就労状況等申立書で見られます。

就労していない場合でも、生活が自立していない、家族の支援が不可欠な状態であれば、判断材料になります。

診断書作成で意識したい伝え方

「何もしたくない」という訴えは抽象的で、診断書に反映されにくいことがあります。そのため、医師には感覚だけでなく、実際にできていないことを具体的に伝えることが重要です。

例えば、「一日中横になっている」「食事をとれない」「外出できない」「仕事を続けられない」といった、生活への影響を整理して伝えることで、診断書の内容が実態に近づきます。

自分を責めすぎないでほしい

何もしたくない状態が続くと、「自分は怠けている」「社会に迷惑をかけている」と強く自分を責めてしまいがちです。しかし、その状態そのものが病気や障害の症状であることも少なくありません。

障害年金は、頑張れない人を責める制度ではなく、生活を立て直すための支えとして用意されている制度です。一時的に立ち止まり、治療や回復に専念するための選択肢でもあります。

一人で抱え込まず専門家に相談を

何もしたくないと感じているときに、制度や将来のことを考えるのはとても大変です。それでも、誰かに状況を話すことが、次の一歩につながることがあります。

主治医への相談に加え、障害年金に詳しい社労士などの専門家に相談することで、「今の状態が制度上どう評価されるのか」を整理できます。無理に頑張り続ける前に、支援につながる選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。

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