錐体外路症状(アカシジア・震え)で仕事が続かない時の障害年金申請

手が震える、体がこわばって動かしにくい、じっとしていられず落ち着かない。薬を飲み始めてから、こうした症状に悩まされていませんか。これらは錐体外路症状と呼ばれ、向精神薬などの副作用として起こることがあります。

本人にとっては日常生活や仕事に深刻な支障が出ていても、「薬の副作用だから仕方ない」と軽く扱われてしまうことも少なくありません。

しかし、錐体外路症状が続き、生活や就労が制限されている場合、障害年金の対象となる可能性があります。

錐体外路症状とはどのような症状か

錐体外路症状とは、脳の運動調整に関わる機能に影響が出ることで現れる運動障害の総称です。主に抗精神病薬や一部の抗うつ薬などの副作用として知られています。

代表的な症状には、手足の震え、筋肉のこわばり、動作が遅くなる、歩きにくくなる、表情が乏しくなるといったものがあります。また、体をじっと保てずそわそわ動いてしまうアカシジアや、口や舌が勝手に動く遅発性ジスキネジアなども含まれます。

錐体外路症状が生活や仕事に与える影響

錐体外路症状があると、日常生活のささいな動作が難しくなります。食事で箸を使えない、字がうまく書けない、着替えや入浴に時間がかかるなど、生活の質が大きく低下します。

仕事では、細かい作業ができない、動作が遅くミスが増える、接客や対人業務が難しくなるといった影響が出やすくなります。その結果、配置転換や休職、退職に追い込まれるケースも少なくありません。

錐体外路症状の背景にある病気や治療

錐体外路症状は、統合失調症、双極性障害、うつ病などの治療で使用される薬が原因となることが多くあります。特に長期間の服薬や、複数の向精神薬を併用している場合に起こりやすい傾向があります。

また、薬を変更・減量しても症状が完全には改善せず、後遺症のように残ってしまうケースもあります。このような場合、単なる一時的な副作用ではなく、長期的な生活制限として考える必要があります。

錐体外路症状で障害年金はもらえるのか

結論として、錐体外路症状そのものが直接の障害名になるわけではありません。しかし、錐体外路症状を含めた精神疾患や神経症状によって、日常生活や就労に継続的な支障がある場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金では、「副作用かどうか」よりも、「現在の生活能力・労働能力がどの程度制限されているか」が重視されます。治療を続けていても動作障害が改善せず、生活や仕事に大きな制限がある場合は、審査の対象になります。

障害年金の審査で重視されるポイント

審査では、症状の有無だけでなく、その影響が具体的に確認されます。一人で身の回りのことができるか、家事や外出に支援が必要か、仕事をどの程度こなせるかといった点が、診断書や病歴・就労状況等申立書で見られます。

就労している場合でも、動作が遅く配慮が必要、軽作業しかできない、短時間勤務に限られているといった事情があれば、不利になるとは限りません。

診断書作成で特に注意したい伝え方

錐体外路症状は、診察室では症状が軽く見えることもあります。そのため、「震えがあります」「動きにくいです」だけで終わらせず、生活への影響を具体的に伝えることが重要です。

例えば、「食事や字を書くのが困難」「外出に時間がかかる」「仕事を続けられない」など、結果として生じている制限を整理して医師に伝えることで、診断書の内容が実態に近づきます。

副作用だからと我慢しないでほしい

錐体外路症状は「薬の副作用だから仕方ない」と我慢されがちですが、生活や就労に支障が出ている状態は、制度的な支援を検討すべきサインです。我慢を続けることで、心身ともにさらに疲弊してしまうこともあります。

障害年金は、治療を続けながら生活を立て直すための制度です。錐体外路症状によって日常生活や仕事が難しくなっている場合は、主治医への相談に加え、障害年金に詳しい社労士などの専門家に相談し、現状を整理することが大切です。

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