聴覚過敏(感覚過敏)で障害年金を受給するための認定基準と申請のポイント

人の声や生活音がつらい、突然の音で強いストレスを感じる、音が原因で外出や仕事が難しい。このような「聴覚過敏」に悩んでいませんか。本人にとっては深刻な症状であっても、周囲からは理解されにくく、「我慢すればいい」「気にしすぎ」と言われてしまうことも少なくありません。

聴覚過敏は発達障害や精神疾患、神経系の病気と関係している場合があり、状態によっては障害年金の対象となる可能性があります。

この記事では、聴覚過敏のセルフチェックの考え方と、障害年金との関係について詳しく解説します。

聴覚過敏とはどのような症状か

聴覚過敏とは、一般的には問題にならない音を「うるさい」「耐えられない」「苦痛」と感じてしまう状態を指します。掃除機やドライヤーの音、食器のぶつかる音、キーボードの打鍵音、人の話し声など、日常生活のあらゆる音が強いストレスになることがあります。

音そのものが大きく聞こえる場合もあれば、音に対して恐怖や不安、怒りといった感情反応が強く出るケースもあります。その結果、外出を避ける、人と会うのが怖くなるなど、生活範囲が著しく狭くなることもあります。

聴覚過敏セルフチェック(診断テストの考え方)

医療機関での正式な診断とは異なりますが、以下のような項目に多く当てはまる場合、聴覚過敏の可能性があります。

・周囲の音が苦痛で耳をふさぎたくなる
・特定の音を聞くと強い不安やイライラを感じる
・突然の音に過剰に驚いたり動悸がする
・音が原因で集中力が著しく低下する
・外出時は常にイヤーマフや耳栓が必要
・職場や学校の環境音が耐えられない
・音を避けるために生活や仕事を制限している

これらはあくまで目安ですが、「音が原因で生活や就労に支障が出ているかどうか」が重要なポイントになります。

聴覚過敏の背景にある主な病気や障害

聴覚過敏は、単独で起こることもありますが、多くの場合、別の病気や障害の症状の一部として現れます。代表的なものには、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD、うつ病、不安障害、パニック障害、双極性障害、統合失調症などがあります。

また、脳疾患、頭部外傷、片頭痛、メニエール病などの耳鼻科・神経系疾患が関係しているケースもあります。障害年金では、「聴覚過敏」という言葉そのものより、これらの基礎疾患が何であるかが重要になります。

聴覚過敏で障害年金はもらえるのか

結論として、聴覚過敏そのものが直接の支給理由になるわけではありません。しかし、発達障害や精神疾患などが原因で聴覚過敏が生じ、日常生活や就労に継続的な支障がある場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金では、病名よりも「どの程度生活能力・労働能力が制限されているか」が重視されます。音への過敏さによって一般就労が難しい、外出や対人関係が著しく制限されている、といった状況が続いていれば、精神の障害として審査されます。

障害年金の審査で重視されるポイント

審査では、「音が苦手」という感覚的な表現だけでなく、具体的な支障の内容が重要です。例えば、職場でどのような配慮が必要か、イヤーマフや個室がなければ働けないか、外出頻度や対人関係の状況などが診断書や申立書で確認されます。

また、症状が一時的ではなく、一定期間継続していることも重要な要素になります。

診断書作成時に気をつけたい伝え方

聴覚過敏は診察室では再現されにくく、医師に伝わりにくい症状の一つです。そのため、「音が苦手です」だけで終わらせず、具体的な生活への影響を伝えることが大切です。

例えば、「スーパーの店内放送で動悸がする」「職場の雑音で業務ができない」「音のストレスで帰宅後に寝込む」など、実際の困りごとを整理して伝えることで、診断書に反映されやすくなります。

一人で判断せず専門家に相談を

聴覚過敏は外見から分からず、本人も「甘えではないか」と悩みがちです。しかし、生活や仕事に支障が出ているのであれば、制度的な支援を検討する価値は十分にあります。

セルフチェックで気になる点が多い場合は、まず医療機関で相談し、そのうえで障害年金に詳しい社労士に相談することで、自分の状態が年金制度上どのように評価されるのかを整理できます。早めの相談が、安心した生活への第一歩につながります。

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