ADD(注意欠如障害)で仕事に支障が出ている時の障害年金活用ガイド

集中できない、忘れ物やケアレスミスが多い、話を聞いても頭に残らない。このような特性に長年悩み、「自分は怠けているだけではないか」と感じている方も少なくありません。ADD(注意欠如障害)は、見た目では分かりにくい一方で、仕事や日常生活に大きな支障をもたらすことがあります。

実は、ADDが原因で生活や就労が制限されている場合、障害年金の対象となる可能性があります。

この記事では、ADDと障害年金の関係について、分かりやすく解説します。

ADDとはどのような障害か

ADDとは、ADHD(注意欠如・多動症)のうち、多動や衝動性が目立たず、「不注意」が主な特性として現れるタイプを指します。現在の診断名ではADHDに含まれますが、日常的にはADDという呼び方が使われることもあります。

主な特徴として、集中力が続かない、物事を順序立てて進められない、約束や期限を忘れやすい、指示を最後まで聞けないといった点が挙げられます。本人は努力しているつもりでも、結果が伴わず、周囲から誤解されやすい障害です。

ADDが日常生活や仕事に与える影響

ADDの影響は、仕事や生活のあらゆる場面に現れます。例えば、書類作成でミスが多発する、優先順位を付けられず仕事が滞る、会議の内容が理解できない、同時に複数の作業をこなせないなどの問題が起こりやすくなります。

また、時間管理が苦手なため、遅刻や締切遅れを繰り返してしまい、評価が下がったり、職場で孤立したりすることもあります。これらが積み重なることで、転職を繰り返したり、就労自体が困難になるケースも少なくありません。

ADDで障害年金はもらえるのか

結論として、ADDという診断名だけで障害年金が支給されるわけではありません。しかし、ADDによって日常生活や就労に継続的な制限があり、一定の障害状態に該当すると判断されれば、障害年金を受給できる可能性があります。

障害年金では、病名よりも「生活能力」「労働能力」がどの程度制限されているかが重視されます。例えば、一般就労が難しく、支援や配慮がなければ働けない状態が続いている場合は、精神の障害として審査の対象になります。

障害年金の審査で見られるポイント

ADDの場合、外見上は問題なく見えることが多いため、審査では具体的な生活状況が重要になります。家庭での生活状況、金銭管理ができているか、服薬管理ができているか、周囲の支援がどの程度必要かといった点が診断書で確認されます。

就労している場合でも、仕事内容が限定されている、頻繁なフォローが必要、短時間勤務でなければ続かないといった状況であれば、不利になるとは限りません。

診断書作成で注意すべき点

ADDの困難さは、「集中できない」「忘れやすい」といった抽象的な表現だけでは伝わりにくいのが特徴です。そのため、診断書作成の際には、実際に困っている具体的なエピソードを医師に伝えることが重要です。

例えば、「指示を忘れて業務が止まる」「同時進行の作業ができずパニックになる」「家計管理ができず支援を受けている」など、生活や仕事への影響を具体的に説明することで、実態に即した診断書につながります。

二次障害との関係にも注意が必要

ADDの方は、長年の失敗体験や叱責の積み重ねにより、うつ病や不安障害などの二次障害を発症することがあります。障害年金の申請では、ADD単独ではなく、これらの二次障害も含めて総合的に判断されるケースも多くあります。

気分の落ち込み、強い不安、外出困難などがある場合は、それらの症状も含めて医師に相談することが大切です。

一人で判断せず専門家への相談を

ADDは「努力不足」「性格の問題」と誤解されやすく、自分自身でも障害年金の対象になるとは思っていない方が少なくありません。しかし、実際には制度の対象となるケースも存在します。

障害年金の可否は、診断書の内容や申立書の書き方によって大きく左右されます。ADDによって生活や就労に支障が出ている場合は、障害年金に詳しい社労士などの専門家に相談し、自分の状況を整理したうえで申請を検討することが、安心につながる第一歩となります。

障害年金コラムの関連記事はこちら