過集中が原因で仕事が続かない・・・精神疾患・発達障害の障害年金申請ガイド

気づいたら何時間も同じ作業を続けていた、周囲の声が全く耳に入らない、食事や睡眠を忘れるほど一つのことに没頭してしまう。このような「過集中」の状態に心当たりはありませんか。一見すると「集中力が高い」「仕事ができる」と評価されがちですが、実際には心身の不調や仕事・日常生活への支障につながることも少なくありません。

過集中は発達障害や精神疾患と深く関係している場合があり、条件を満たせば障害年金の対象となる可能性もあります。

この記事では、過集中と障害年金の関係について詳しく解説します。

過集中とはどのような状態か

過集中とは、特定の物事に強く意識が向き、周囲の状況や時間の経過に気づかなくなる状態を指します。本人の意思で集中を切り替えることが難しく、声をかけられても反応できない、別の作業に移れないといった特徴があります。

一時的な集中とは異なり、過集中は「やめたくてもやめられない」「切り替えができない」という点が大きな問題になります。その結果、疲労が蓄積しやすく、体調を崩したり、生活リズムが乱れたりする原因になることがあります。

過集中が引き起こす日常生活・仕事への影響

過集中は、日常生活や仕事のさまざまな場面で支障を生じさせます。例えば、作業に没頭しすぎて締切に間に合わない、優先順位を考えられず重要な業務を後回しにしてしまう、周囲とのコミュニケーションが取れず孤立する、といった問題が起こりやすくなります。

また、過集中の反動として強い疲労感や無気力状態に陥ることもあり、安定した就労を続けることが難しくなるケースもあります。本人の努力だけでは改善が難しく、長期的な支援が必要になることも少なくありません。

過集中の背景にある主な病気や障害

過集中は、ADHDやASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害でよく見られる特性の一つです。特にADHDでは、不注意や多動と併せて、特定の興味対象に極端に集中する過集中が現れることがあります。

また、うつ病、双極性障害、不安障害などの精神疾患でも、症状の一部として過集中が見られる場合があります。重要なのは、「過集中そのもの」ではなく、それを引き起こしている基礎疾患が何かという点です。

過集中で障害年金はもらえるのか

結論として、過集中という状態だけで障害年金が支給されるわけではありません。しかし、発達障害や精神疾患が原因で過集中が生じ、日常生活や就労に継続的な支障が出ている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金では、病名よりも生活能力や労働能力の制限の程度が重視されます。例えば、過集中により業務の指示を理解できない、周囲との連携が取れない、一般就労が難しく配慮や支援が必要な状態が続いている場合などは、精神の障害として審査されます。

障害年金の審査で重視されるポイント

審査では、過集中が原因でどのような困難が生じているかが具体的に見られます。仕事の内容、勤務形態、職場での配慮の有無、ミスやトラブルの頻度、日常生活における支援の必要性などが、診断書や病歴・就労状況等申立書で確認されます。

「集中できる時間が長い」という表面的な特徴だけが強調されると、困難さが正しく伝わらないこともあります。そのため、困っている点を具体的に示すことが重要です。

診断書作成時に意識すべき伝え方

過集中に悩んでいる方は、「集中できるなら問題ないのでは」と自分の困りごとを軽く見てしまいがちです。しかし、実際に生活や仕事で起きている支障を、具体的なエピソードとして医師に伝えることが大切です。

例えば、「作業を止められず休憩が取れない」「周囲の声が聞こえずトラブルになる」「疲れ切って翌日動けなくなる」など、結果として生じている問題を伝えることで、診断書の内容が現実に近づきます。

一人で判断せず専門家への相談を

過集中は外からは分かりにくく、「能力の問題」「性格の問題」と誤解されやすい特性です。そのため、本来受けられるはずの支援や制度につながらないまま、無理を続けてしまう方も多くいます。

障害年金の対象になるかどうかは、個々の状況によって判断されます。過集中によって生活や就労に支障が出ている場合は、障害年金に詳しい社労士などの専門家に相談し、自分の状態を制度の視点で整理することが重要です。早めの相談が、将来の安心につながる第一歩になります。

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