生活能力なしと感じる場合でも障害年金は受給できる?認定の考え方を解説

日常生活がうまく送れず、「自分は生活能力がないのではないか」と感じている方は少なくありません。食事や入浴、金銭管理、外出などが一人でできず、仕事も続けられない状態が続くと、将来への不安は大きくなります。

そうしたときに検討される制度の一つが障害年金です。生活能力なしと感じる状態でも、障害年金の対象となる可能性はあります。

本記事では、生活能力が低下している場合に、障害年金でどのように評価されるのかを分かりやすく解説します。

「生活能力なし」と感じる状態とは

「生活能力なし」という言葉は、正式な医学用語ではありませんが、日常生活を送るうえで多くの支援が必要な状態を指して使われることが多い表現です。

例えば、
・食事の準備や片付けができない
・入浴や着替えを一人で行えない
・服薬管理や金銭管理ができない
・外出や人とのやり取りが困難

こうした状態が継続している場合、「生活能力が著しく低下している」と評価されることがあります。

生活能力の低下は甘えではない

生活能力が低い状態にあると、「努力が足りない」「怠けている」と誤解されることがあります。しかし、実際には精神疾患、知的障害、発達障害、脳の障害などが背景にあるケースも少なくありません。

本人の意思や気力の問題ではなく、病気や障害によって生活を維持する力が低下している状態であることを、正しく理解する必要があります。

障害年金は「生活能力」を重視する制度

障害年金では、病名そのものよりも、日常生活や労働への影響が重視されます。
そのため、「生活能力なし」と感じる状態は、障害年金の認定において重要な判断材料になります。

特に精神障害や知的障害の場合、
・日常生活能力の程度
・社会生活への適応状況

が等級判断の中心になります。

障害年金で評価される日常生活能力

障害年金の審査では、次のような点が見られます。

・食事、入浴、身だしなみが自立してできるか
・金銭管理や時間管理ができるか
・医師の指示を理解し守れるか
・対人関係や社会的場面での対応ができるか

これらを総合的に見て、「どの程度の援助が必要か」が判断されます。

生活能力が低い場合の障害等級の考え方

障害等級2級が検討されるケース

日常生活に著しい制限があり、常に援助が必要な場合は、2級が検討されます。
身の回りのことがほとんど一人でできず、家族や支援者の助けが欠かせない状態が目安です。

障害等級3級が検討されるケース

日常生活はある程度可能でも、社会生活や労働に著しい制限がある場合には、3級が検討されます。
就労が困難、または配慮がなければ働けない状態が該当します。

働いていなくても、働いていても対象になる

「生活能力なし」と感じる状態で、現在働いていない場合はもちろん、
配慮を受けながら働いている場合でも、障害年金の対象になることがあります。

重要なのは、
・どのような配慮がなければ生活や仕事が成り立たないか
・無理をして何とか維持している状態か

という点です。

診断書で重要になるポイント

障害年金の申請では、医師の診断書が重要な役割を果たします。
生活能力が低下している場合は、次の点が具体的に記載されていることが重要です。

・日常生活でできないこと
・援助が必要な内容
・症状の継続性

「できること」よりも、「できないこと」「支援が必要なこと」を正確に伝える必要があります。

病歴・就労状況等申立書で生活の実態を伝える

診断書だけでは伝わりにくい部分は、病歴・就労状況等申立書で補足します。

・一日の生活の流れ
・家族や支援者の関わり
・困っている具体的な場面

を具体的に書くことで、「生活能力なし」と感じる実態が伝わりやすくなります。

生活能力が低い状態での申請は専門家の支援が有効

生活能力が著しく低下している場合、本人が一人で申請手続きを進めるのは大きな負担になります。
また、書類の書き方次第で、本来の状態が十分に評価されないこともあります。

障害年金に詳しい専門家や支援機関に相談することで、適切な申請につながる可能性が高まります。

まとめ

「生活能力なし」と感じる状態は、決して珍しいものではなく、病気や障害によって誰にでも起こり得ます。
障害年金は、そうした状態にある方の生活を支えるための制度です。

自分は対象外だと思い込まず、生活に支障が出ている場合は、制度を確認し、必要に応じて相談することが大切です。

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