脳に障害があるのかなと感じたときに知ってほしい障害年金の話

最近、物忘れがひどい、体が思うように動かない、集中できないなどの不調が続き、「もしかして脳に障害があるのでは」と不安になる方は少なくありません。検査でははっきりした異常が見つからず、周囲にも理解されにくいと、悩みを一人で抱え込んでしまいがちです。

そんなときに知っておいてほしいのが「障害年金」という制度です。

本記事では、脳の障害が疑われる症状がある場合に、障害年金の対象となる可能性や、申請の考え方について分かりやすく解説します。

「脳に障害があるのかな」と感じるときの不安

「以前のように仕事ができない」「言葉が出にくい」「考えがまとまらない」といった変化は、本人にしか分からない苦しさがあります。外見上は元気そうに見えるため、家族や職場から理解されず、「気のせい」「疲れているだけ」と言われてしまうこともあります。

こうした状態が続くと、自分を責めたり、将来への不安が強くなったりします。特に、原因がはっきりしない場合は、「この先どうなるのか」という恐怖を抱えやすくなります。

脳の障害が疑われる主な症状

脳に関係する障害では、次のような症状が現れることがあります。

・記憶力や集中力の低下
・判断力や理解力の低下
・言葉が出にくい、話しづらい
・手足がうまく動かない
・ふらつきや歩行の不安定さ
・感情のコントロールが難しい

これらの症状は、脳梗塞や脳出血、脳外傷、てんかん、高次脳機能障害、転換性障害など、さまざまな病気や状態で起こり得ます。

検査で異常が見つからなくても安心できない理由

脳の障害というと、MRIやCTで異常が見つかるイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、すべての脳の障害が画像検査で明確に映るわけではありません。

高次脳機能障害や機能性神経症状症などでは、検査では異常が分からなくても、日常生活に大きな支障が出ることがあります。そのため、「異常なし=問題なし」とは限らないのです。

脳に障害がある場合、障害年金の対象になるのか

結論として、脳の障害が疑われ、生活や仕事に支障が出ている場合、障害年金の対象となる可能性があります。
重要なのは病名そのものではなく、症状による影響の大きさです。

たとえば、
・働こうとしてもミスが増えて続けられない
・家事や身の回りのことに支援が必要
・外出や対人関係が難しい

といった状態が続いていれば、障害年金が検討される余地があります。

障害年金で重視される「日常生活への影響」

障害年金の審査では、次のような点が重視されます。

・一人で身の回りのことができるか
・金銭管理や時間管理ができるか
・対人関係や意思疎通に支障があるか
・就労が可能か、どの程度制限されているか

「少しはできる」という点よりも、「どれだけ困っているか」を具体的に伝えることが重要です。

働いていても障害年金は関係ある

「仕事をしているから障害年金は無理」と思っている方も多いですが、これは誤解です。
実際には、配慮を受けながら働いている場合や、短時間勤務しかできない場合でも、障害年金が認められるケースがあります。

大切なのは、「どのような配慮がなければ働けないか」「どの程度制限があるか」を整理することです。

診断名がはっきりしない場合の考え方

「まだ病名が確定していない」「医師から経過観察と言われている」という場合でも、将来的に障害年金の対象になる可能性があります。

ただし、申請には初診日が重要になるため、症状が出た時点で医療機関を受診しておくことが大切です。後から振り返って証明できるよう、受診歴や検査記録は残しておきましょう。

申請で重要になる書類と伝え方

障害年金の申請では、診断書だけでなく、病歴・就労状況等申立書が重要な役割を果たします。

・いつ頃から症状が出たか
・どのように生活や仕事が変わったか
・周囲の支援がどの程度必要か

を、できるだけ具体的に書くことで、審査側に実態が伝わりやすくなります。

「脳に障害があるのかな」と思ったら一人で抱えないで

原因が分からない不調が続くと、孤独感や不安が強くなります。しかし、同じような悩みを抱え、障害年金によって生活を立て直した方もいます。

障害年金は、「もう何もできない人」のための制度ではありません。生活や仕事に支障が出ている人を支えるための制度です。

まとめ

「脳に障害があるのでは」と感じる不安は、決して大げさなものではありません。検査で異常が見つからなくても、日常生活や仕事に支障が出ているなら、障害年金という選択肢があります。

一人で悩まず、制度を知り、必要に応じて専門家や支援機関に相談することが、これからの生活を守る第一歩になるかもしれません。

障害年金コラムの関連記事はこちら