精神遅滞(知的障害)は障害年金の対象?認定基準と申請のポイント

精神遅滞は、現在では「知的障害」と呼ばれている発達期に生じる障害です。知的な理解力だけでなく、日常生活や社会生活への適応に困難が生じることが特徴で、幼少期から支援が必要となるケースも少なくありません。

知的障害は障害年金の代表的な対象ですが、「手帳がないともらえない」「働いていたら対象外」といった誤解も多く見られます。

本記事では、精神遅滞(知的障害)と障害年金の関係、認定の考え方、申請時の注意点について分かりやすく解説します。

精神遅滞(知的障害)とは何か

精神遅滞とは、かつて使われていた医学・行政用語で、現在は知的障害という名称が正式に用いられています。
知的障害は、生まれつき又は発達期において、知的機能と適応行動の両面に制限が生じている状態を指します。

単にIQが低いということだけで判断されるものではなく、日常生活、対人関係、社会生活への適応の困難さが重要な要素になります。知的障害は、軽度・中等度・重度・最重度といった区分があり、支援の必要性の程度によって判断されます。

精神遅滞(知的障害)は障害年金の対象になるのか

結論として、知的障害は障害年金の対象となる代表的な障害です。
多くの場合、20歳前から障害の状態にあるため、「20歳前障害年金」として申請されます。

知的障害の場合の特徴として、

・初診日(障害の原因日)は原則として出生日
・保険料納付要件は不要
・生活能力の程度が等級判断の中心

といった点が挙げられます。

障害年金の認定で重視されるポイント

知的障害の障害年金では、日常生活能力の程度が最も重視されます。
具体的には、次のような点が評価されます。

・身の回りのことを一人でできるか
・金銭管理や時間管理ができるか
・対人関係でトラブルが起きやすいか
・家族や支援者の援助がどの程度必要か

知能検査の数値だけでなく、実際の生活状況が総合的に判断されます。

障害等級の目安

障害等級1級が検討されるケース

日常生活のほぼ全般において、常時の援助が必要な状態です。
身の回りのことを一人で行うことが難しく、家族や支援者の継続的な支援が不可欠な場合が該当します。

障害等級2級が検討されるケース

日常生活に著しい制限があり、援助がなければ生活が成り立ちにくい状態です。
簡単な作業はできても、判断力や対人関係に大きな制限がある場合などが該当します。

※知的障害の場合、3級に該当するケースは原則としてありません。

療育手帳がなくても申請できる

よくある誤解の一つに、「療育手帳がなければ障害年金はもらえない」というものがあります。
しかし、療育手帳の有無は障害年金の必須条件ではありません。

診断書や申立書によって、日常生活への支障が客観的に示されれば、手帳がなくても認定される可能性があります。

診断書作成で注意すべき点

知的障害の障害年金では、診断書の内容が認定結果を大きく左右します。
特に重要なのは、日常生活能力の評価欄です。

・一人でできること、できないこと
・援助が必要な場面
・集団生活や就労での困難さ

などを、具体的に反映してもらうことが重要です。

病歴・就労状況等申立書の重要性

知的障害の申請では、病歴・就労状況等申立書が非常に重要です。
本人がうまく説明できない場合は、保護者や支援者が作成することもできます。

成長の経過、学校生活での様子、就労や福祉サービスの利用状況などを、時系列で整理して記載することで、審査側に実態が伝わりやすくなります。

精神遅滞(知的障害)の障害年金は専門家への相談が有効

知的障害は障害年金の対象ではあるものの、書類の書き方次第で結果が大きく変わる分野でもあります。
特に20歳前障害年金では、初回申請が重要です。

制度に詳しい専門家へ相談することで、適切な等級認定につながる可能性が高まります。
不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

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