バッド・キアリ症候群で障害年金もらえる?肝疾患・内部障害としての評価ポイント

バッド・キアリ症候群は、肝臓から心臓へ血液を戻す静脈が閉塞・狭窄することで発症する重篤な疾患です。腹水や肝機能障害、強い倦怠感などにより、日常生活や就労に大きな制限が生じることも少なくありません。

しかし、症状の重さに比べて障害年金の対象になることが十分に知られていないのが実情です。

本記事では、バッド・キアリ症候群と障害年金の関係、認定の考え方、申請時の注意点について分かりやすく解説します。

バッド・キアリ症候群とはどのような病気か

バッド・キアリ症候群は、肝静脈や下大静脈の閉塞・狭窄により、肝臓の血流が妨げられる病気です。
血液がうまく流れなくなることで肝臓にうっ血が起こり、腹水、肝腫大、黄疸、腹痛、全身倦怠感などの症状が現れます。

慢性化すると肝硬変へ進行することもあり、長期にわたる治療や生活制限が必要になるケースも少なくありません。

バッド・キアリ症候群は障害年金の対象になるのか

結論として、バッド・キアリ症候群は障害年金の対象となり得る疾病です。
障害年金では病名だけで判断されることはなく、症状によって日常生活や労働にどの程度支障が出ているかが重視されます。

特に次のような状態が続いている場合、障害年金の検討対象になります。

・腹水や浮腫により日常生活が制限されている
・慢性的な倦怠感で就労が困難
・肝機能障害による体力低下
・通院や治療のため生活が制約されている

障害年金の認定で重視されるポイント

バッド・キアリ症候群の場合、障害年金では主に肝疾患・内部障害としての評価が行われます。
重視されるのは、肝機能検査の数値だけでなく、実際の生活への影響です。

重要な判断ポイントには次のようなものがあります。

・腹水や黄疸の有無
・日常生活動作への影響
・労働時間や作業内容への制限
・治療後も症状が残っているかどうか

数値が比較的安定していても、生活に大きな支障が出ていれば評価対象となります。

障害等級の目安

障害等級2級が検討されるケース

・腹水や強い倦怠感により日常生活の多くに援助が必要
・外出や就労が著しく制限されている
・肝機能障害が進行し生活が不安定な状態

障害等級3級が検討されるケース

・労働に著しい制限がある
・フルタイム勤務が困難
・疲労や体調悪化で継続就労が難しい

診断書作成で注意すべき点

バッド・キアリ症候群の障害年金申請では、診断書の内容が結果を大きく左右します。
肝機能の数値だけが記載され、生活への影響が十分に反映されないケースもあります。

そのため、

・腹水や倦怠感の程度
・日常生活で困っていること
・就労への具体的な制限

を医師に正確に伝え、診断書に反映してもらうことが重要です。

病歴・就労状況等申立書が特に重要な理由

内部障害の場合、病歴・就労状況等申立書が認定結果に大きく影響します。
検査数値では表れない生活上の困難を、具体的に補足できるからです。

・1日の生活リズム
・体調が悪化するタイミング
・仕事や家事への影響

を時系列で整理して記載することが重要です。

バッド・キアリ症候群の障害年金は専門家への相談が有効

バッド・キアリ症候群は比較的まれな疾患であり、障害年金の審査でも実態が十分に理解されないことがあります。
適切な説明ができないと、本来受給できるはずの障害年金が不支給や低い等級になることもあります。

生活や仕事に支障が出ている場合は、障害年金に詳しい専門家へ早めに相談することが大切です。

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