先端巨大症でも障害年金は受給できる?見落とされやすい認定ポイント

先端巨大症は、厚生労働省が指定する「指定難病」の一つで、成長ホルモンの過剰分泌により全身にさまざまな障害を引き起こす病気です。手足や顔貌の変化だけでなく、関節障害、心疾患、糖尿病などの合併症により、日常生活や就労に大きな支障が生じることも少なくありません。

しかし、指定難病であっても自動的に障害年金が支給されるわけではありません。

本記事では、先端巨大症が指定難病である点を踏まえ、障害年金の認定の考え方や申請時の注意点を分かりやすく解説します。

先端巨大症とはどのような指定難病か

先端巨大症は、脳下垂体腺腫などにより成長ホルモンが過剰に分泌されることで発症する内分泌疾患です。
厚生労働省の指定難病に指定されており、医療費助成の対象にもなっています。

主な症状には、手足や顎の肥大、顔貌の変化、関節痛、しびれ、頭痛、慢性的な倦怠感などがあります。さらに、高血圧、糖尿病、心肥大、睡眠時無呼吸症候群などの合併症を伴うことが多く、全身の健康状態に長期的な影響を及ぼします。

指定難病でも障害年金が自動的にもらえるわけではない

先端巨大症は指定難病ですが、指定難病であることと障害年金の受給は別の制度です。
障害年金では、「難病かどうか」よりも、「生活や労働にどの程度支障があるか」が重視されます。

そのため、指定難病の医療費助成を受けていても、障害年金が不支給となるケースは珍しくありません。
逆に、指定難病であることを適切に説明し、生活への影響を具体的に示せば、障害年金の対象となる可能性は十分にあります。

先端巨大症は障害年金の対象になるのか

結論として、先端巨大症は障害年金の対象となり得る疾病です。
特に、治療後も次のような症状が残っている場合は、認定の可能性が検討されます。

・関節障害やしびれによる動作制限
・慢性的な疲労感や体力低下
・合併症による就労制限
・外見変化による対人関係や職場適応の困難

これらの影響が、日常生活や労働にどの程度及んでいるかが重要な判断材料になります。

障害年金の認定で重視されるポイント

先端巨大症の場合、障害年金の認定では主に内分泌疾患・肢体の障害・内部障害に準じた評価が行われます。
特に重視されるのは、治療によってホルモン値が改善していても、機能障害が残っているかどうかです。

例えば、

・長時間の立位や歩行が困難
・細かい作業ができない
・疲労や痛みで勤務時間を維持できない
・合併症の管理で生活が制限されている

といった点は、認定上重要なポイントになります。

障害等級の目安

症状の程度に応じて、次の等級が検討されます。

障害等級2級

日常生活の多くにおいて他人の援助が必要な状態。
重度の関節障害や心疾患などの合併症があり、生活全般に著しい制限がある場合。

障害等級3級

労働に著しい制限がある状態。
通常の就労が難しく、配置転換や短時間勤務を余儀なくされているケースなど。

診断書作成で注意すべき点

先端巨大症の障害年金申請では、診断書の内容が結果を大きく左右します。
医師が医学的所見のみを簡潔に記載すると、生活への影響が十分に伝わらないことがあります。

そのため、

・関節可動域や筋力低下
・疲労感や疼痛の程度
・合併症の具体的影響
・就労や日常生活への制限

を、医師にしっかり伝え、診断書に反映してもらうことが重要です。

病歴・就労状況等申立書が特に重要な難病

先端巨大症のような指定難病では、病歴・就労状況等申立書の出来が認定結果を左右します。
症状の変化や生活上の困難を、時系列で具体的に説明することで、審査側に実態が伝わりやすくなります。

・仕事で支障が出ている動作
・休職や欠勤に至った経緯
・治療と仕事の両立の難しさ

などを丁寧に記載することが重要です。

先端巨大症の障害年金は専門家への相談が有効

先端巨大症は指定難病である一方、障害年金の審査では理解されにくい側面があります。
適切な書類作成ができないと、本来受給できるはずの年金が不支給や低い等級になることもあります。

障害年金専門の社労士に相談することで、指定難病としての特性を踏まえた申請が可能になります。
先端巨大症で生活や仕事に支障を感じている場合は、早めの相談をおすすめします。

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