表皮水疱症で障害年金はもらえる?認定基準・等級・申請のポイントを解説

表皮水疱症は、わずかな刺激でも皮膚や粘膜に水疱やびらんが生じる希少難病です。幼少期から症状が続くケースも多く、日常生活や就労に大きな制限が生じます。

しかし、外見上は分かりにくいこともあり、障害年金の対象になると知られていないことも少なくありません。

本記事では、表皮水疱症と障害年金の関係、認定の考え方、申請時の注意点について分かりやすく解説します。

表皮水疱症とは何か

表皮水疱症は、皮膚の構造に関わる遺伝的異常などにより、軽い摩擦や刺激でも水疱やびらんが生じる疾患です。
皮膚だけでなく、口腔内、食道、眼、爪などの粘膜や付属器にも症状が現れることがあります。

症状の程度には個人差があり、軽症であっても慢性的な痛みや感染リスクを伴います。重症例では、歩行や食事、着替えなど日常生活の多くに介助が必要となる場合もあります。

表皮水疱症は障害年金の対象になるのか

結論から言うと、表皮水疱症は障害年金の対象となり得る疾病です。
障害年金では、病名そのものではなく、日常生活や労働への支障の程度によって障害等級が判断されます。

表皮水疱症の場合、主に次のような点が評価対象になります。

・皮膚症状による日常生活動作の制限
・慢性的な疼痛や感染による体力低下
・長時間の立位や歩行が困難かどうか
・食事、入浴、衣服の着脱に支援が必要か
・就労の継続が可能かどうか

これらを総合的に見て、障害等級が判断されます。

認定基準で重視されるポイント

表皮水疱症は、障害年金の認定基準上、「皮膚疾患」や「肢体の障害」に準じて判断されることが多い疾患です。
特に重視されるのは、日常生活能力の低下の程度です。

例えば、次のような状態は評価上重要になります。

・創傷の処置に毎日長時間を要する
・外出時に特別な配慮や介助が必要
・痛みや出血により継続的な就労が困難
・感染予防のため社会生活が制限されている

単に「水疱ができる」という説明だけでは不十分で、生活全体への影響を具体的に示すことが不可欠です。

障害等級の目安

症状の程度によって、次のような等級が検討されます。

2級

日常生活の多くにおいて他人の介助が必要な状態。重度の皮膚障害や全身状態の悪化を伴うケース。

3級

労働に著しい制限があり、通常の就労が困難な状態。痛みや処置のためフルタイム勤務が難しい場合など。

実際の認定では、診断書と申立書の内容が大きく影響します。

診断書作成で注意すべき点

表皮水疱症の障害年金申請では、診断書の記載内容が非常に重要です。
医師が医学的所見のみを簡潔に書いてしまうと、生活への支障が十分に伝わらないことがあります。

そのため、

・症状が出る頻度
・処置や通院にかかる時間
・痛みによる行動制限
・仕事や家事への影響

などを、医師に正しく伝えたうえで反映してもらうことが重要です。

病歴・就労状況等申立書の重要性

表皮水疱症の申請では、病歴・就労状況等申立書が認定結果を左右すると言っても過言ではありません。
この書類では、診断書では書ききれない日常生活の困難さを具体的に説明します。

例えば、

・朝の処置にどれくらい時間がかかるか
・通勤や職場で困っていること
・症状悪化時の生活状況

などを、時系列で分かりやすく整理することが重要です。

表皮水疱症の障害年金は専門家への相談が有効

表皮水疱症は希少疾患であり、障害年金の審査でも理解されにくい側面があります。
そのため、申請書類の作り方次第で結果が大きく変わることもあります。

障害年金専門の社労士に相談することで、認定基準を踏まえた書類作成や医師への説明整理が可能になります。
不支給や低い等級を避けるためにも、早めの専門家相談をおすすめします。

障害年金コラムの関連記事はこちら