初診病院が閉院し受診状況等証明書が取れない中、社会的治癒により2番目の病院が初診と認められた事例
相談者
相談者: 松山市の女性(50代)
傷病名: 統合失調感情障害
申請日: 令和7年(2025年)5月
支給決定日: 令和8年(2026年)9月
決定した年金種類と等級: 障害基礎年金2級 (年間約83万円)
相談時の相談者の状況
ご相談者は一度、年金事務所へ相談に行かれていましたが、「受診状況等証明書が取得できない」とお電話でご相談を頂きました。
面談にて詳しく状況を伺ったところ、実際に初診と考えられる医療機関はすでに閉院しており、証明書の取得は不可能な状況でした。この点が大きなハードルとなり、ご本人も請求をあきらめかけていた状態でのご相談でした。
しかし、詳しく経過を確認すると、初診後は一定期間通院した後に症状が落ち着き、その後は長期間にわたり日常生活や子育て、就労が可能な状態が続いていました。
その後再び症状が悪化し、日常生活能力の低下が顕著にみられる状態でした。
相談から申請までのサポート
本件で最も重要なポイントは、初診日の取り扱いでした。
通常、障害年金の請求では初診日の証明として「受診状況等証明書」が必要ですが、本件では初診の医療機関が閉院しているため取得できませんでした。
そこで、申立内容を精査した結果、初診後に長期間にわたり社会生活が可能であった経過が確認できました。具体的には、
- 通院終了後、症状が安定
- 結婚・出産・子育てが可能
- 就労も一定期間継続
といった状況が見られます。
これらの事情から、本件では社会的治癒が成立している可能性を前提に検討を行いました。
社会的治癒とは、医学的に完全に治癒していなくても、社会生活上は支障なく生活できている状態が一定期間継続した場合に、その後の再発を「新たな初診」として扱う考え方です。
本件ではこの考え方を適用し、2番目に受診した医療機関を初診として再構成することで、請求の道筋を立てました。
また、申立書の作成にあたっては、
- 症状の波(良い時期と悪い時期)
- 日常生活の具体的な困難
- 家族の支援状況
を丁寧に言語化し、審査側に状況が正確に伝わるよう整理しています。
結果
本件は、初診病院が閉院しているという不利な状況がありながらも、
- 社会的治癒の成立を丁寧に立証
- 初診日の再設定
- 生活状況の具体的な整理
を行うことで、障害年金の請求に至った事例です。
初診証明が取得できない場合でも、経過の整理と論点の組み立て次第で請求が可能となるケースがあります。
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