障害年金がもらえない?よくある不支給理由とMSWができる対処法
障害年金の申請をサポートしたものの、結果は「不支給」。
患者さんやご家族から「どうしてもらえなかったのか分からない」と戸惑いの声を聞いたことがあるMSWの方も多いのではないでしょうか。
実は、障害年金には“つまずきやすいポイント”がいくつかあります。
この記事では、不支給のよくある理由と、病院勤務のソーシャルワーカーとしてできる対応策をまとめました。
Contents
よくある不支給理由①:初診日が証明できない
障害年金は、「いつ、どこで治療を始めたか(初診日)」が非常に重要です。
この日が確定しないと、申請自体ができないこともあります。
特に、若年層の精神疾患やひきこもり状態など、長年医療機関を受診していなかった場合は、証明が難しくなる傾向があります。
MSWの対応例
・カルテや診療情報提供書など、初診に関する記録が残っていないか主治医と確認
・本人や家族から「どの病院にいつ頃行ったか」聞き取りして手がかりを探す
・必要に応じて社労士に初診日調査を依頼する
よくある不支給理由②:診断書の内容が実態と合っていない
診断書の記載内容が、実際の生活状況よりも軽く書かれてしまうケースがあります。
特に、精神疾患では医師が「医療的な評価」に重点を置く一方、障害年金では「日常生活の困りごと」が重要視されるため、ずれが生じやすいのです。
MSWの対応例
・事前に生活上の困難(例:買い物、通院、身の回りのことなど)をまとめ、診断書作成時に主治医に伝える
・医師が制度に不安を感じている場合は、診断書記載の目的や社労士によるサポート体制を丁寧に説明
・記載内容に不備が出た場合は、修正や追記を依頼する方法もあると案内する
よくある不支給理由③:保険料の未納
障害年金は、病気やけがの初診日の前に、一定の保険料を納めている必要があります。
特に20代~30代など、国民年金の納付が不安定な時期に発症した場合、これが原因で不支給になることがあります。
MSWの対応例
・本人に納付状況を聞き取り、必要なら年金事務所で確認するよう案内
・「学生納付特例」や「免除申請」の有無も確認しておく
・万が一納付要件を満たしていない場合でも、障害手帳や自立支援医療など他の制度の案内を忘れずに
よくある不支給理由④:申立書の内容が不足している
診断書だけではカバーできない日常生活の状況は、「申立書(本人や家族による生活状況の記録)」で補います。
ここが曖昧だったり、短すぎたりすると、審査側に伝わる情報が不足し、不支給につながることがあります。
MSWの対応例
・本人や家族から生活の困りごとを具体的にヒアリングする
・申立書の記入が難しい場合は、社労士に作成サポートを依頼するよう勧める
・特に精神疾患では「主観的に元気そうに見えるが実は…」という点を丁寧に文章化することが大切
おわりに
障害年金が不支給になると、本人もご家族も大きく落ち込みます。
でも、理由を正しく理解すれば、再申請や他制度の活用につなげることができます。
病院のソーシャルワーカーは、患者に一番近い立場だからこそ、生活状況を丁寧に把握し、適切な制度利用へと導く力があります。
申請の手続きや再申請の判断で迷うときは、障害年金に特化した専門家に相談するのも有効です。
障害年金の相談は、専門家に任せるのが一番確実です
障害年金の不支給には、専門的な知識と細かい対応が必要です。
愛媛県内で障害年金の申請を検討されている場合は、愛媛・松山障害年金相談センターにご相談ください。
初診日や納付要件の確認、診断書のチェック、申立書の作成など、すべて社労士が無料でサポートしています。
「一度落ちたから」とあきらめる前に、正しい情報と専門的な支援で再スタートを切りましょう。
まずは、お気軽にご相談ください。
>>障害年金申請めんどくさいと思っている方へ 面倒な障害年金の申請は社会保険労務士へ
障害年金とは
「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。
対象となる障害について
障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。
下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。
障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。
>>障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる1分間受給判定
目の傷病
白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など
聴覚
メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など
肢体
重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など
脳の傷病
脳卒中、脳出血 、脳梗塞など
精神
統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など
呼吸器疾患
気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など
心疾患、高血圧
狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など
腎疾患、肝疾患、糖尿病
慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など
その他
悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など
いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。
LINEで簡単にご相談できます。
LINEをお使いのお方はLINEを使って簡単にご相談することができます。
医療ソーシャルワーカーの方でもお気軽にお問い合わせください(四国地域限定)。
当事務所に依頼するメリット
障害年金はご自身で申請することができます。
ご自身で障害年金を申請する場合は多くのハードルがあります。
なぜ当事務所に依頼した方がいいのか依頼するメリットについて解説します。
医療ソーシャルワーカーが障害年金に取り組む難しさ
医療ソーシャルワーカーの皆様は、日々、お忙しい中、患者様の悩みや相談に乗られていることと思います。しかも、悩みや相談を持ちかけてくる患者様を取り巻く環境は複雑で、家族関係、経済状態に問題を抱えていることが多く、解決は一筋縄ではいかないことが多いと思います。
我々が専門としている障害年金に関する相談も、まずは身近にいるソーシャルワーカーの皆様が受けることも多いかもしれません。
しかし、障害年金に関する相談には専門的知識が必要不可欠です。
保険料の納付要件などを確認し、正確に相談に乗るためには、時間もかかります。
私自身、ソーシャルワーカーの方が、上辺の知識だけで相談に答えてしまい、受給可能性がある患者様に間違った知識を持たせしまい「自分は障害年金がもらえるとは思わなかった」という相談も、残念ながら多く受けてきました。
社会保険制度が複雑化する現代において、医療ソーシャルワーカーの皆様が患者様のすべてを解決することは難しいのが現実ではないでしょうか。
社会保険制度の一つである障害年金に関するご相談も、必要な情報を提供し、我々のような障害年金の請求を数多くしている社会保険労務士を紹介するといった援助によって、患者様の悩みに解決の道筋をつける事ができると思います。
医療ソーシャルワーカーの皆様に「勉強会」をしております!
ソーシャルワーカーの皆様が障害年金のことを調べていて、一番苦労するのは「専門用語」だと思います。単に難しい言葉が使われているというだけではなく、よく知っている言葉なのに、それが意味することが異なっている場合があります。
障害年金のご相談を、日々お客様からお受けしている中で下記についてのご質問を多くお受けします。
初診日
障害認定日
事後重症
ソーシャルワーカーの皆様に障害年金のことをもっと知ってもらおうと思い勉強会も開催しています。
もしソーシャルワーカー向けに勉強会を開催してほしいと思われている病院関係者の方はご連絡ください。

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表
このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。
障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。
そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。
早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。
相談の現場で、最も耳にする言葉です。
障害年金の請求で一番大事なことは、不安を感じたり、わからないことがあったりしたときに、すぐに専門家に問い合わせをすることです。
ひとりで悩みを抱えず、まずは当センターにお気軽にご相談ください。
当センターは全力であなたに寄り添います。
無料相談を行っておりますので、是非ご利用ください。
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